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アジア雑語林(228) 2008年7月23日
1952年生まれの旅行者 すでに死んでしまった8人の旅行者たちの生涯を紹介した『ラストラン』(小林誠子、バジリコ、2007年)を読んだ。登山家の若山美子以外、植村直己や上温湯隆など、著作を通じてではあるが、よく知っている人ばかりだ。だから、単なる、「生涯のあらすじ集」でしかないこの本を高く評価することは出来ないし、引用のしかたや、写真のクレジットなど、執筆技術の点でも問題の多い本だと思う。
この本の別の個所では、アメリカだけではなく、メキシコ、カナダも旅していることがわかる。
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アジア雑語林(227) 2008年7月15日
不敬罪本の謎 2000年に出たその本を、アジア文庫で見た記憶はあった。それ以外の記憶はないのだが、おそらくページをパラパラとめくって、「まあ、買う必要のない本だな」と結論を出し、本を平台に戻したのだろう。
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アジア雑語林(226) 2008年7月7日
柳の下のカレー本たち もう何年も前からカレーとラーメンがブームのようで、専門店だけでなく、出版部門でもカレー本やラーメン本があまたある。しかし、カレー本もラーメン本も、内容はほとんど大差なく、店ガイドと既刊書の焼き直しという、あいも変わらぬ「柳の下のドジョウ本」からほとんど抜け出していない。カレーが好きな日本人が1億人いても、カレーについて深い興味を持っている人は数百人もいないらしい。
スイカで作った花などを添える高級レストランはあるが、それが普通のレストランではないし、ましてや「家庭で」となれば、よほど特別な家庭である。
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アジア雑語林(225) 2008年6月29日
1965年ごろのヨーロッパの日本料理店 前回の原稿をアジア文庫に送っってすぐに、知りあいから「日本人の海外旅行事情研究の参考になれば・・・」ということで、『ヨーロッパの旅』(辻静雄、保育社カラーブックス、1965年)をいただいた。 ・フランス パリ 「京都」・・・クイーン・エリザベス・ホテル内 中華料理店リストは省略するが、国名と掲載している店舗数だけ紹介しておこう。 ・フランス 3店 このリストがどういう方法で作成されたものかはまったく不明なので、リストそのものに対して論じることは、あまり有益ではないとは思うが、ドイツの15店は多いような気がする。もちろん、フランスに中華料理店が3店しかないとは思えないが、対日本人読者ということを考えると、駐在員が多いドイツを厚く紹介しておこうと考えたのかもしれない。 |
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アジア雑語林(224) 2008年6月21日
最初のマクドナルド 『マクドナルドはグローバルか』に、世界各国のマクドナルド初出店年リストが出ている。ながめているだけで、世界の経済や文化が見えてくるようで、興味深い。このリストの元の情報源は、もちろんマクドナルドだが、それを1996年の「ニューヨーク・タイムズ」が報じ、その記事を本書に載せたわけで、私のこのコラムは4度目の引用ということになる。引用に頼らず、マクドナルドが持っている情報を直接紹介しようと思ったのだが、「だいたい、このころ」というあいまいな時代しか載っていないので、しかたなく、引用の繰り返しで紹介する。
香港のマクドナルドは、75年か。九龍の、ネイザンロードからちょっと入ったところに、赤地に黄色いM字の看板が見えたときのことを、よく覚えている。なぜか、珍しくミルクティー注文した。ティーバッグではあるが、インドのチャイのような濃厚な風味だったのが意外で、しかし、イギリスの植民地だからなあと納得したことなどを、いま思い出した。香港1号店は、香港島のコーズウェイ、パターソン通りにできたから、私の定宿近くにあった店は1号店ではないようだ。
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アジア雑語林(223) 2008年6月13日
東アジアのファーストフード店、再考 前回まで書いてきた東アジアのファーストフード関連で、ずっと前から読もうと思っていた本にやっと手をつけた。『マクドナルドはグローバルか――東アジアのファーストフード』(ジェームズ・ワトソン編、前川啓治・竹内恵行・岡部曜子訳、新曜社、2003年、2800円)は、出たばかりのころ書店で見つけて読みたくなったが、まあ、2800円の本だから、そのうち古本屋で見かけたら買おうかと考えているうちに時間が過ぎ去り、しかし、古本屋で見かけるのはいつも『マクドナルド化する社会』(ジョージ・リッツァ、早稲田大学出版部)ばかりで、しかたなくこれも読んでみたが、イマイチ面白みに欠けていた。
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アジア雑語林(222) 2008年6月4日
うれしいが、くやしいファーストフードの本 その3 『ファーストフードマニア』のいいところは、インターネットのホームページの情報だろうが、企業の情報も書いていることだ。出店した年や全国の総店舗数といった基本情報だ。あるいは、経営母体の話だ。
基礎データとともに、こういう観察記録も読みたいのだ。両方の情報をあわせると、コーヒーショップが、立体的に見えてくる。データだけでは退屈だし、印象記だけでは全体像を網羅できない。
この予定が、たんなる「ほら吹きラッパ」でないことを期待したい。
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アジア雑語林(221) 2008年5月27日
うれしいが、くやしいファーストフードの本 その2 『ファーストフードマニア』をひとことで説明すれば、駄文と駄写真と駄デザインの本である。中国と台湾と香港のファーストフード店を紹介した本で、屋台や露店は含めず、アメリカ式ファーストフード店の形態をとった店を紹介している。その企画は悪くない。だから、買ったのだ。で、最初の「中国編」を読み始めると、インターネットで集めた5行のネタを、駄文で水増しして100行にしたような文章が、小さな字でぎっしりと詰まっているとわかった。写真が多い本でもあるが、点数だけは多いが意味のないカットだらけで、しかも小さいので、細部までよくわからない。だから、駄写真だ。
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アジア雑語林(220) 2008年5月19日
うれしいが、くやしいファーストフードの本 その1 書店で平積みになっていた派手な表紙の『ファーストフードマニア Vol.1 中国・台湾・香港編』(黒川真吾・田村まどか・武田信晃、社会評論社、2008)を見かけ、手にとって0.5秒で購入を決めた。名カタログ『コーラ白書』と同じ版元じゃないか。いいかもしれないとひらめいたのだ。
コーラは刻々と変化する商品なので、時間経過もちゃんと調べている。例えば、香港では、返還前と返還後で、どう変わったかを調べているし(味に関しては、それほど大きな変化はないそうだ)、韓国のコカコーラ03年にデザインを変えたことに言及している。韓国のコカコーラは、甘味の強さとまろやかさでは、世界のトップクラスだそうで、しかし酸味はほとんどないそうだ。アスパルテームや、アセルファムカリウムといった人工甘味料の説明もある。食品工業も国際経済も視野に入れて書いている。すばらしい目配りだ。
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アジア雑語林(219) 2008年5月9日
ふたたび、自費出版にお願い 団塊世代が大量に定年を迎えていることと、自費出版のブームが合体し、昔の海外駐在体験や長期出張体験、あるいは若き日の海外放浪をまとめた本が数多く出版されている。日本人の海外旅行史に興味がある私としては、ネット古書店などで「それらしい」本を見つけると、片っ端から注文している。 ●全部は書けない・・・・30年間の旅や5年間の駐在体験を、1冊の本ですべて書けるわけはない。それを無理に全部書こうとすれば、各テーマを箇条書きの報告書のようになってしまう。まるで、出張報告書のような旅行記も現実にあって、うんざりさせられた。そういう本だとわかっていればもちろん買わないのだが、内容とレベルがまるでわからないネット書店の客の悲しさ、とりあえず注文してしまうんですな。 ●ガイドは要らない・・・・旅行記を書きたい気はあっても、きっと書くことがないのだろう。訪れた名所旧跡の説明を、ほとんどガイドブックの丸写しのごとき文章で埋めているものもある。誰が、そんなものを読みたいと思うか。 では、どのように書けばいいのかといえば、99人には「自分のカネで本を作るのだから、どうぞお好きなように。でも、家族以外誰も読みませんよ」と言っておこう。好きなように書けばいいのだ。しかし、100人のうちのひとりには、こういうふうに書いてみませんかとアドバイスしておこう。 ○細部を書け・・・ガイドブックに書いてある情報など、いっさい要らない。いまのガイドブックには書いてないことだけを書いていけばいい。例えば、昔の渡航手続きや予防注射の話。駐在経験を書くなら、住んだ家の家賃や近所の環境など、「いまと違って、当時は」という話が出てくると、きっとおもしろいでしょう。ハワイ旅行の話だって、1970年代なら、新婚客がみやげにパイナップルを段ボール箱にいっぱい買ってきたものだ。だから、「新婚旅行でハワイ」というごくありふれた旅行であっても、「当時はね…」と、旅行代金やドルレートの話や、当時の写真を見ながら新婚客の服装やカメラなど旅行用品についてあれこれ書いても、たぶんおもしろいと思う。エッフェル塔は、50年前も今も変わらないが、それを見つめてきた人と文化は移ろいでいる。いま、突然、高校で習った「年年歳歳花相似 歳歳年年人不同…」という詩を思い出したが、そうなんだ。変わらぬ花(名所旧跡)の説明なんかされたって、読む気にならない。移ろう人間のほうにポイントを合わせたほうがおもしろいと、売れないライターである私は思うのですよ。 ○専門知識を生かせ・・・駐在員体験を書くなら、専門の分野の知識も披露してもらいたい。例えば、自動車会社の駐在員として、バンコクで駐在した経験を書くなら、赴任当時のタイの自動車事情を書いておいてくれるとありがたい。アメリカ車中心で、こういう車種が人気でとか、税金は、ガソリン代は、道路事情はどうか、近隣の国ではどうかといった話だ。私としては、食品や乗り物関連ならうれしいが、金融問題を語られても困るなあと正直思うが、金融に興味のある読者もいるだろうから、通り一遍の滞在記よりも、専門知識をちりばめたほうが、きっとおもしろくなる。ただし、社内人事のことを書かれても困るので、その点はご配慮を。
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アジア雑語林(218) 2008年4月7日
オランダ人の日本戦後史 おどろく事実 その2 1950年から74年まで日本で過ごしたオランダ人銀行員が書いた『まがたま模様の落書き』の話の続きだ。
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アジア雑語林(217) 2008年3月24日
オランダ人の日本戦後史 おどろく事実 その1 倒産した新風舎はなにかと評判が悪かったが、浜の真砂ほども出版した本のなかには、ちょっとはいい本もあり、旅行史や異文化関連の本を数冊買っている。
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アジア雑語林(216) 2008年3月16日
マレーシア、タイ、ラオスで買った本 所用のついでに、マレーシア、タイ、ラオスをしばらく旅した。重い荷物は持ちたくないので、できる限り本は買わない予定ではあり、その決心は2週間ほどは続いたのだが、1冊重い本を買うと、「持っては歩けないほど重い本を買ってしまったのだから、郵送するしかない。とすれば、どんどんと買ってもいいはずだ」となり、やはり買ってしまった。
毎日新聞社から『昭和史全記録』という厚く重い本があるが、ちょうどそういうタイプの本だ。百科事典ほどの本で、新聞記事からマレーシアの歴史を振り返ることができる。編年史なので、例えば「1985年」のページを見れば、ペナンの超高層ビル「コムタ」が完成した年だとわかるし、「1971年」の1月にはクアラルンプールが大雨で1メートルほどの洪水になった写真がでている。タイでもこういう本が出ればいいのだが、無理だろうな。
インドネシア編としても出版されている項目別事典のマレーシア版。インドネシア版はほぼ全巻ジャカルタで買ったが、マレーシア版は諸事情(高い本だ。送料も高くなる。置き場所がない)により、「建築編」だけ購入。ショップハウスの歴史的変遷の図解など、豊富な図版が楽しく、参考にもなる。この雑語林でも以前に書いた話だが、インドネシア編のほうの百科事典が、なんと高田馬場のブックオフで売っていたのには驚いた。すぐ売れたようだ。
屋台や食堂のガイドブックなのだが、私は屋台料理のガイドとして買った。豊富な料理写真と解説がついているので、「屋台料理図鑑」として使える。
中国移民の男とマレー人の女の家庭で生まれたのがプラナカン文化。マレーシアの文化を紹介するこの入門シリーズは何冊か出ているが、とりあえず2冊購入。中学生用の副読本という感じだから、イラストも多く、外国人にはわかりやすい。このシリーズの内容はインターネットで検索できる。
インドの食文化を知る古今編2冊だが、まだ読んでいないので、内容のレベルはわからない。
バンコクの中華街の雑学研究書。こういう本を読んで、バンコクのガイドを書くライターがいるとうれしいのだが・・・・・。 ちなみに値段は、ペーパーバックで800バーツ。チュラ大の書店で入手できる。
タイで出版された本だが、バンコクでは見つからず、ラオスのルアンパバンで購入。けっしてカメラマンなら撮らないラオスのスナップ写真集。カレンダー写真でも、絵はがき写真でもないラオスの写真とその解説満載。全ページカラー写真だからしょうがないが、高価な本である。
ルアンパバンの建築調査報告書。これはラオスで出版された本なのに、ラオスで見つからず、バンコクで買った。100ページちょっとの本だが、買うかどうか数日考えるほどの値段だ。
どういう本かわかりやすく言えば、『世界一の日常食』(戸田杏子、晶文社、1986年)のラオス版で、食文化探訪旅行記にレシピがついている。あるいは、写真が1枚もない浜井幸子さんの本といえばわかりやすいか。旅行記部分が多く、食文化の記述が少ないのが私には難点だが、一般読者相手ならしょうがないか。おもしろかったが、日本語に翻訳しても売れないだろうなあ。この本に関しては書きたいことがいくらでもあるので、機会があれば詳しく触れるかもしれない。
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アジア雑語林(215) 2008年3月2日
補記 ジプシーとピラニアの話など いままでこの雑語林に書いた文章の、追加情報を書いておこう。 さて次は、173号に書いた、タイのピラニアの話だ。 次は、207号に書いた「日本最古のタイ料理店」に関する話題。
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アジア雑語林(214) 2008年2月19日
昆虫を食べる本を読んでいて思い出した、いくつかのこと すでに何冊も読んだというのに、また、昆虫食の本を買ってしまった。
このほか、昆虫食も一部では扱っているという本も加えれば、あと数冊増える。だからといって、私が昆虫を大好きなわけではないし、ましてや昆虫を食べるのが好きなわけではない。いままでに、タイで何種類かの昆虫を口にしたことはあるが、自分から進んで注文したことはない。路上の店で買ったこともない。アジアの食文化資料として、昆虫食の本を買ったのである。食べられるが、好んで食べたいわけではない。
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アジア雑語林(213) 2008年2月11日
ISA社のその後の話 1999年に出した拙著『アジア・旅の五十音』(講談社文庫)で、ISA社の話を書いた。国際的な禁煙運動に胡散臭さとファシズムを感じ、そういう動きに反発したくなったのである。航空機はすでに全面禁煙になってしまったから、逆に喫煙可能を売り物にした航空会社があってもいいだろうという趣旨で原稿を書いた。タバコを吸わない人に迷惑がかからないように、席を完全に分離すればいいのだという企画だった。私の文章の一部を引用する。
なかば冗談でかいた文章だが、まさか本気でそういうことを考える人が現れるとは思わなかった。2006年の新聞記事だった。ドイツ人実業家アレキサンダー・ショップマン氏が、デュッセルドルフ―東京間に全席喫煙可の飛行機を飛ばそうと考えたらしい。航空会社の名はISAではなく、SIA、つまりスモーカーズ・インターナショナル・エアウェイズだ。私のような貧乏臭い企画ではなく、ファーストとビジネスのみの高額フライトらしい。計画では、2007年3月の就航を予定している。
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アジア雑語林(212) 2008年2月3日
吉田集而さんの本を巡って 本が好きなくせに、本屋に長居するのが苦手だった。さっさと本を探し、さっさと出て行くのがいままでの習慣だった。本の数が多すぎると圧迫・圧倒されて息苦しいのだ。苦しくなって、「本なんて、もうどうでもいいや」という気分になるのだ。
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アジア雑語林(211) 2008年1月25日
刺身への多大な情熱 古本屋のワゴンで、『海外食生活百科』(木村学而・鈴木清編、フジ・テクノシステム発行、東京官書普及発売、1986年)を買った。定価は4500円だが、古本屋の売価は500円だった。
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