いつかロロサエの森で 東ティモール・ゼロからの出発

南風島 渉 著

2000年8月刊 46判 296頁 コモンズ 2,500円

 『きっかけは91年11月、新聞の国際面に小さく載ったベタ記事だった。
 「ポルトガル領ティモール(東ティモール)のディリで12日午前、発生したインドネシア軍による群衆への発砲事件で、死者の数は消息筋によると50人から60人にのぼった。一方、軍当局の発表によると死傷者は数人でディリには平穏が戻っている」
 のちに「サンタクルス事件」として知られるこの虐殺では、ひとりの青年の葬儀をきっかけに起こった民衆の抗議デモに対し、インドネシア軍が自動小銃を乱射。その後も負傷者を処刑するなどし、500人以上と言われる死者、「行方不明」者を出していた。』(本文より)
 この記事を契機に、著者は東ティモールの取材を始める。独立を求めて戦う地下活動家との接触、スハルト政権の崩壊によって生まれた独立への機運、独立の可否を問うた住民投票、西ティモールの難民、本書は激変した東ティモールの7年間の潜入ルポの記録である。
著名のロロサエは東ティモールの共通語、テトゥン語で「日が昇る場所」の意。
著者はフリーの報道写真記者。

 

ホーム