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編集委員 / 尾本惠、濱下武志、村井吉敬、家島彦一 2000年11月刊 46判 286頁 岩波書店 2,800円 |
![]() 海を考える方法上の特徴をすこし考えてみたい。これまで、人類史・世界史を進化や発展の歴史としてとらえ、各国・各地域を序列づけ、発展を非発展と区別してきた自他認識があった。しかし「海」の方法は、海域ならぴにそれと関連する地域は、それぞれが固有の歴史的連続性を持つと同時に、相互の関係は共時的に多様に併存していることを検討することにある。この視角を、これまでの学問領域の分類からみると、すべてのいわゆる近代諸科学が、広い意味で国家意志と国益の実現を基本に組み立てられてきた、個別国家に奉仕する「国学」であるとするならば、「海学」は、国学の境界領域を蹄跨ぐことをむしろ重点的に心がけようとしており、国家の範囲を相対化する。また、海洋国家という観点が、国益を基本として主張されることに警告を発し、人類史の視点から地球と地球環境に関して、総合的に考える「地球論」を目指しているといえるであろう。 国家ならびに国民経済の枠のなかで、国家建設・近代化・経済的発展・工業化を目指してきた二〇世紀の「北」からの論理は、「アジアの海」が提起する将来像によって塗り替えられることになろう。(本書「海のアジアが開く世界」より)
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【目次】 |